Kiro IDEの使い方|インストール・初期設定から最初の実行まで

要点: Kiro IDEは、インストールとログインを済ませ、プロジェクトのフォルダーを開いて使い始めます。簡単な質問や修正は通常のチャットで行い、要件・設計・タスクを先に確認したい場合はSpecを選びます。

インストールはできたものの、空の画面を前に次の操作がわからなくなることがあります。まずは小さなプログラムを一つ作り、自分で実行するところまで進めてみましょう。このガイドでは、フォルダーを開く操作からPythonの家計簿サンプルを動かす手順まで説明します。

2026年11月4日にKiro公式ドキュメントを確認しました。対象はデスクトップ版のKiro IDEです。バージョンによってメニューの位置や表示名が異なることがあります。

初めて使うときの流れ

  1. OSとCPUに合ったKiro IDEのインストーラーを入手します。
  2. ログインし、作業するフォルダーを開きます。
  3. 既存コードについて質問するか、作る機能に合わせて作業モードを選びます。
  4. 繰り返し守ってほしいルールはSteeringに記録します。
  5. 生成されたコードを確認し、ターミナルで実行して結果を確かめます。

Kiroは、自然言語でコードの説明や修正を依頼できるAI開発ツールです。最初からすべての機能を設定するより、この流れを一度終えると使い方をつかみやすくなります。

Kiro IDEのインストールとログイン

KiroのダウンロードページでIDE用のインストーラーを選びます。macOS・Windows・Linux向けがあるため、OSとCPUの種類を確認してください。対応するOSのバージョンやLinuxディストリビューションの条件は、公式のインストール案内で確認できます。

インストーラーを実行し、Kiroを起動するとログインに進みます。個人利用ではGoogle・GitHub・AWS Builder IDから使うアカウントを選べます。組織のアカウントではAWS IAM Identity Centerや外部のIDプロバイダーを利用する場合があります。必要な開始URLやリージョンなどは管理者に確認してください。認証はブラウザーで行い、完了後にIDEへ戻ります。公式の認証ガイド

AWS Builder IDを必ず新規作成する必要はありません。ログイン後にVS Codeの設定や拡張機能を取り込む操作も任意です。

最初のプロジェクトはフォルダーを開いて始めます

新規プロジェクトなら、まずPCに kiro-expense-demo などの空のフォルダーを作ります。Kiroの File > Open Folder でそのフォルダーを開いてください。既存プロジェクトも、同じメニューからリポジトリのフォルダーを選びます。このサンプルに言語別のプロジェクトテンプレートは必要ありません。公式の最初のプロジェクトガイド

チャットが見当たらない場合は、macOSでは Cmd+L、Windows・Linuxでは Ctrl+L を押します。コマンドパレットで Kiro: Open Chat を探しても開けます。チャットを開く操作

既存のコードがある場合は、大きな変更を依頼する前に次のような質問から始められます。

このプロジェクトの起点となるファイル、起動方法、テストコマンドを調べて説明してください。まだファイルは変更しないでください。

回答に出てきたファイルが実際にあるかを確認すると、次に依頼する作業の範囲を決めやすくなります。

通常のチャットとSpecの使い分け

チャットで依頼すれば必ず仕様書が生成されるわけではありません。 通常のコーディング支援はDefaultで始められます。要件と設計を整理してから実装したい場合はSpecを選びます。Planは、コードを変更する前に実装計画を確認したいときに使うモードです。作業モードの公式説明

やりたいこと始めやすいモード
コードの説明、小さな関数の修正Defaultのチャット
新機能の要件・設計・タスクを分けて確認Spec
変更前に実装計画を確認Plan

新機能のSpecでは、通常 .kiro/specs/ 配下で次の文書を確認します。バグ修正用のSpecは要件文書の代わりに bugfix.md を使うため、ここでは新機能を作る場合を説明します。Specの構成

  • requirements.md:必要な機能と完了条件を整理します。
  • design.md:ファイル構成やデータの処理方法を確認します。
  • tasks.md:実装する作業を分割します。

文書の生成が終わっても、実装が完了したわけではありません。要件と設計を確認したあと、タスク一覧から実行する項目を選び、コードが条件を満たすかを確かめます。

Steeringに繰り返し使うルールを残す

Steeringは、プロジェクトのルールをMarkdownファイルで伝える機能です。Kiroパネルから基本の文書を生成するか、自分で .kiro/steering/ にファイルを作成できます。以下はPythonサンプル向けに独自に作成したルールの例です。Steeringの公式説明

.kiro/steering/python-style.md:

---
inclusion: always
---

- 関数名と変数名はsnake_caseにする。
- このサンプルではPython標準ライブラリだけを使う。
- 金額の入力検証とCSV保存の動作をテストする。
- 作業の完了時に、変更したファイルとテストコマンドを説明する。

標準の読み込み方式は always です。ファイルのパターンに応じて読み込む fileMatch、手動で呼び出す manual などもあり、すべてのSteeringファイルが毎回同じ条件で適用されるわけではありません。カスタムエージェントでは、そのエージェントの resources 設定も確認します。読み込み条件とカスタムエージェント

ルールを記載しても、生成結果が自動的に正しくなるわけではありません。実際のファイルとテスト結果を確認しましょう。

Pythonの家計簿サンプルを作って実行する

ここからは、機能に慣れるための学習用サンプルです。Pythonの実行環境は別途用意します。Kiroで kiro-expense-demo フォルダーを開き、統合ターミナルの現在位置がそのフォルダーになっているか確認してください。

1. Pythonと仮想環境を準備する

macOS・Linux:

python3 --version
python3 -m venv .venv

Windows PowerShell:

python --version
python -m venv .venv

バージョンを確認するコマンドが失敗する場合は、Pythonのインストールとコマンドのパスを確認します。以降は仮想環境内のPythonを直接実行するため、環境を有効化する操作は不要です。この方法とOS別の実行ファイルの場所は、Python公式のvenvドキュメントで説明されています。

2. Specで小さな機能を依頼する

新しいチャットでSpecを選び、次のように入力します。

Python標準ライブラリだけでターミナル用の家計簿を作りたいです。main.pyで支出の日付・金額・分類・メモを入力し、expenses.csvに保存してください。月を指定すると合計を表示するようにしてください。金額は整数とし、0以下の金額と不正な日付は拒否してください。データ処理はexpense.pyに分け、tests/test_expense.pyにunittestのテストを書いてください。まず要件と設計を見せてください。

ファイル名と動作を具体的にすると、結果を確認する基準もできます。入力の制限は学習用の設定です。返金や小数の金額を扱いたい場合は、先に要件を変更してください。

3. 文書を確認して実装タスクを進める

要件では、入力項目と拒否する値が意図どおりかを確認します。設計では、CSVの保存場所と月別集計の方法が明確かを見てください。足りない内容は実装前に修正を依頼します。

タスク一覧ができたら tasks.md から該当する作業を実行します。完了後は main.py、expense.py、tests/test_expense.py が依頼に沿って作られたかを確認します。別のファイル構成が提案された場合は、それに合う実行コマンドも確認してください。

4. プログラムとテストを実行する

依頼したファイル構成になっていれば、プロジェクトのフォルダーで次を実行します。

macOS・Linux:

.venv/bin/python main.py
.venv/bin/python -m unittest discover -s tests

Windows PowerShell:

.\.venv\Scripts\python.exe main.py
.\.venv\Scripts\python.exe -m unittest discover -s tests

正常な入力を保存したあと、プログラムを開き直してデータが残るかを確認します。月別合計が入力した金額と一致するか、不正な日付と0以下の金額を拒否するかも試してください。テストコマンドの終了だけで判断せず、実際にテストが検出・実行されたかと、失敗した項目がないかを確認します。

うまく動かないときの確認点

  • 仕様書が見つからない場合: 選択中のエージェントがDefaultかSpecかを確認します。通常のチャットで仕様書が自動生成されなくても不自然ではありません。
  • ファイルがないと表示される場合: ターミナルの現在位置と実際のファイル名を確認します。依頼したファイルがまだ生成されていない可能性もあります。
  • Pythonコマンドが動かない場合: まずバージョン確認を試します。Kiroでフォルダーを開くだけではPythonはインストールされません。
  • 要件と結果が違う場合: エラー全文、実行したコマンド、期待した結果と実際の結果を一緒に伝えます。

「直してください」だけでなく、「2026-11-04、1200、食費を入力したのにCSVへ保存されません」のように再現条件を書くと、問題を絞り込みやすくなります。個人の家計簿や業務用リポジトリでは、アカウント情報や実際の個人情報を含めず、サンプルデータで再現してください。

MCPやチーム運用は最初の実行を終えてから

外部ツールが必要になったらMCPを接続できます。プロジェクト用の設定は .kiro/settings/mcp.json、ユーザー共通の設定は ~/.kiro/settings/mcp.json です。使うサーバーの実行環境と設定を確認して接続します。このPythonサンプルにはMCPは必要ありません。MCP設定の公式説明

チームでは、共有するSpecとSteeringの文書を選んでGitで管理し、生成されたコードの差分とテストを確認します。.kiro/ 全体をそのままコミットする前に、秘密情報を含む設定がないかを確認してください。

Cursorと迷っている場合

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